トランプ氏、演説で「米国団結」呼び掛けへ=共和党大会開幕へ厳重警戒
【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)時事】米共和党は15~18日、中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで全国大会を開き、トランプ前大統領(78)を大統領候補に正式指名する。暗殺未遂事件で負傷したトランプ氏も出席し、最終日の指名受諾演説で「米国の団結」を訴える方針。開幕を控え、会場や周辺には厳重な警備態勢が敷かれた。
トランプ氏は銃撃から一夜明けた14日午後、当初予定通り現地入りした。保守系メディアのインタビューで「私には米国を団結させる機会が与えられた」と言及。バイデン政権への対抗を意識して準備した指名受諾演説を、「全く違う内容」に書き換えたと明らかにした。
バイデン大統領は14日、共和党大会に備え警備の見直しを当局に指示。最大限の警護を約束すると記者団に述べた。会場周辺は数ブロックにわたって道路が封鎖され、各地から招集された警官が警備に当たった。
事件を受け、支持者の間では、九死に一生を得たトランプ氏を神格化する機運が高まっている。SNSには頭から血を流すトランプ氏を天使が守るイラストと共に、「神が彼を救った」と「奇跡」をたたえる投稿が相次いだ。
1981年に銃撃されたレーガン元大統領(共和)は、精神的強靱(きょうじん)さを示して支持率を急上昇させた。トランプ氏が銃撃を受けた直後、星条旗を背景に拳を突き上げる象徴的な写真はメディアを席巻。共和党では「トランプ氏が負ける可能性はゼロになった」(下院議員)と、早くも大統領選に楽観ムードが漂う。
大会ではトランプ氏一族や上下両院議員、各州知事らが順次演説する。米メディアによると、トランプ氏と指名レースを最後まで争ったヘイリー元国連大使は当初招待されていなかったが、一転出席し演説する運びとなった。
期間中にはトランプ氏の伴走者となる副大統領候補も指名される。同氏はまだ意中の候補の名を明かしていないが、米メディアでは、トランプ氏に忠誠を誓う若手代表格バンス上院議員や、ビジネス界出身のバーガム・ノースダコタ州知事、ヒスパニック系の穏健派ルビオ上院議員らが有力視されている。
[時事通信社]
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