劇的勝利、新たな一歩=諦めなかった古江に栄冠―エビアン女子ゴルフ
14番(パー3)のティーショットで思うような球が打てず、ピンまで約10メートルを残すと、古江の我慢は限界に近づいていた。「ため息が出て、悔しい感じの雰囲気を出したら、(キャディーの)マイクが、『気持ちをキープして』と言ってくれた。そうだなと」。極めて難しいラインの長いバーディーパットがカップに沈む。もう一度頑張ろうと思えた。
次の15番(パー5)は何とか3オンはしたものの、チャンスにはつけられなかった。それでも、もう一度自らを信じ、約12メートルのバーディーパットを決め切った。「この大会やコースの神様がまだまだ諦めるな、と」。そう感じたという。
この連続バーディーが、実績で古江に劣る同組の2人に精神的なプレッシャーをかけたのは明らかだった。16番(パー3)も取り、3連続バーディーで完全に息を吹き返した。
前日の反省を踏まえて見せたかった「攻めるゴルフ」が、ようやく終盤に形となった。最終ホールは「プレーオフにはしたくなかった」。果敢に約3メートルのイーグルパットを沈め、ギャラリーを魅了した。
「一つ壁を破れたのは自信になった」。今年の米ツアーで最も多くトップ10に入っていた古江。パリ五輪への出場権に届かなかったことで、さらに強く、勝てるゴルファーへと踏み出す教訓を得た。
憧れの先輩、宮里藍さんが2009年に米ツアー初優勝を飾り、17年の引退試合にも選んだエビアンの大会。初出場だった21年に4位に入り、海外挑戦へのきっかけになった思い出の地で、古江が新たな一歩を踏み出した。 (エビアン時事)
[時事通信社]
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