バイデン氏「仕事やり遂げる」=単独会見で選挙戦継続主張―言い間違えも、撤退論やまず・米
【ワシントン時事】バイデン米大統領(81)は11日、ワシントン市内で単独記者会見を行い、再選を目指す11月の大統領選に向けて「前進あるのみだ。仕事をやり遂げる」と選挙戦継続を改めて誓った。ただ、「ハリス副大統領」と言うべきところを「トランプ副大統領」と言い間違え、ここ一番でミスが目立つ結果に。会見後には複数の民主党議員が新たに撤退を求め、高齢に対する懸念解消には至らなかった。
バイデン氏の単独会見は昨年11月以来。北大西洋条約機構(NATO)閉幕に合わせたこの日の会見では、精彩を欠いた6月の大統領候補テレビ討論会後、急速に高まった高齢不安を払拭しようと、1時間近くにわたって質問を受け続けた。
記者団からは去就に関する厳しい質問が飛んだ。支持率でトランプ前大統領の後塵(こうじん)を拝する世論調査結果について、バイデン氏は、多くの有権者はまだ大統領選に関心を払っていないと主張。「私が最も大統領に適任だ」と訴えた。「トランプに勝てる人は他にもいる」と認めつつ、本選まで4カ月を切った時点で候補を差し替えても時間が足りないと指摘した。
2020年大統領選で表明した「世代交代」を果たさない理由については「経済や外交、国内分断の面で状況が深刻」なためだと説明。トランプ氏が強権的な政策を進めようとしていると警告し、「次世代に引き継がないのは、極めて重要なことが懸かっているからだ」と述べた。
年齢による気力と体力の衰えが指摘される中、「ペースを落とす必要がある」と過密日程を見直す考えも示した。認知能力検査は、医師に勧められれば受けるとした。
一方、中国との競争やロシアによるウクライナ侵攻への対応、中東情勢に関しては多弁に語り、外交政策で自信をのぞかせた。
求心力を取り戻そうとする努力に反し、民主党内の「バイデン離れ」は加速している。これまでに上下両院の議員十数人が撤退を要求。米メディアは11日、オバマ元大統領らがバイデン氏の選挙戦継続に疑義を呈していると報じた。ニューヨーク・タイムズ紙は、後継候補に取り沙汰されるハリス氏が当選する可能性について、バイデン氏の陣営が調査に着手したとも伝えた。
[時事通信社]
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