「日銀ぜひ利上げを」=現在は「超円安」―同友会・新浪氏
経済同友会の新浪剛史代表幹事は12日、東京都内で開かれた内外情勢調査会で講演し、現在の円相場について「超円安だ」との認識を示した。円安進行に歯止めをかけるため、日銀に対し今月末に開かれる金融政策決定会合で「ぜひとも金利を上げる方向でお願いしたい」と要望した。
新浪氏は、円安が続けば輸入物価の上昇などを通じ「消費者に不安を与える」と指摘。金利が上がれば「企業の新陳代謝が進む効果もある」として、「『金利のある世界』の実現を早期にお願いしたい」と訴えた。
日本経済の競争力回復に向けては、「一番大事なのは賃金が上がることだ」と強調。賃上げが33年ぶりの高水準となった今春闘を「まさに時代の転換点となった」と評価した。その上で「このままのエネルギーコストでは(実質)賃金が上がらない。低廉で安定したエネルギーの確保は恒常的賃上げの源泉でもある」と説明。政府の次期エネルギー基本計画で、原発再稼働の遅れなど「不都合な真実に正面から向き合ってほしい」と注文を付けた。
新浪氏は、日本経済の失われた30年を振り返り、「今は衰退か挑戦かの転換のポイントだが、絶対に挑戦を選ぶべきだ」と主張。同友会が掲げている社会課題の解決を通じて成長を目指す「共助資本主義」の実現に向け、「(国は)規制を取り払い、国民や企業はアニマルスピリッツを持ち、挑戦していくべきだ」と呼び掛けた。
[時事通信社]
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