水球界の常識破る戦術=パスライン・ディフェンス―パリ五輪・JAPANの技
1932年ロサンゼルス五輪で初出場した水球男子の日本代表。84年を最後に遠ざかった五輪に、2016年リオデジャネイロ大会で復帰し、パリにも挑む。国際舞台で再びコンスタントに戦えるようになったのは、リオ五輪で日本を率いた大本洋嗣さんが編み出したパスライン・ディフェンスのたまものだ。
この戦術は相手のパスの出し手にプレッシャーをかけてコースを絞り、残りの守備選手がパスの受け手の前でボールを奪うというもの。サッカーのインターセプトに近い。
定石通りの守備では、センターフォワードにボールを集める相手の攻撃に対し、ゴール前を固めることが多い。ただ、体格差が如実に出てしまう。
地面からの反発を生かしたジャンプができない水中では、競り合える範囲にも限度がある。強豪の攻撃選手は身長が190センチを超えるのも珍しくない。ラグビーのシンビンのような一時的な退場ルールもあるため、守備陣の人数が少なくなると、劣勢は避けられない。
そこで発想を転換した。自陣の深い位置での攻防には付き合わず、大胆に前に出て守る。シュートに持ち込まれる前段のパスをカットできれば、日本の持ち味のスピードで速攻を仕掛けやすくなる。
「足を使って(浮き上がり)両手を上げ、ノーファウルでプレッシャーをかけ続ける。そしてパスを出させない、もしくはパスミスを誘うのが肝になる」とパリ五輪代表の塩田義法監督。ゴール前が手薄になりやすいデメリットには目をつむり、点を取られたら取り返す。そんな積極的な姿勢が水球界の常識を破った。
[時事通信社]
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