桑田さん「甲子園は砥石」=球児育てる野球の聖地
野球の聖地としてファンに愛される兵庫県西宮市の阪神甲子園球場。8月1日に開場100周年を迎えるのを前に、高校とプロで幾度も熱戦を演じてきた巨人の桑田真澄2軍監督が取材に応じ、選手時代の思い出を語った。
「初めて足を踏み入れた時は、雄大さというか、まず大きさに圧倒された」。桑田さんは大阪・PL学園高のエースとして、5季連続で甲子園大会に出場。夏に2度優勝するなど、のちに西武や巨人でプレーする清原和博さんと共に大活躍し、「KKコンビ」の愛称で人気を集めた。
桑田さんの名を一躍全国に広めたのが、1年生だった1983年夏の甲子園。準決勝では強打の「やまびこ打線」で知られた徳島・池田高を手玉に取り、5安打完封勝ち。桑田さんも本塁打を放つなどして7―0で快勝した。
桑田さんは前評判を覆したこの試合から、「絶対に諦めてはいけない、ということを学んだ」と振り返る。プロ入り後もこの教訓を支えとし、2007年には衰えを感じながらも夢だった米大リーグに挑戦。「(甲子園は)聖地であり、例えるなら砥石(といし)。甲子園大会は厳しい。でも、そこに向かっていろんなことにチャレンジして、自分も磨かれていく」
今夏の甲子園大会では暑さ対策として、午前と夕方に分けて試合を行う「2部制」を新たに導入する。桑田さん自身もマウンドで意識がもうろうとした経験があったそうで、「半歩前進」と評価。「プロ野球の一番の供給源は高校球児。選手を壊すことなく大事に育てるには、いろんな考え方があって、どんどん試していった方がいい」と話した。
これからも多くのドラマが生まれ、スターたちの礎となるであろう甲子園。桑田さんは「自分も甲子園でプレーさせてもらえて本当に幸せ。先人が育ててくれた素晴らしい文化を、また次の100年につなげてもらいたい」と願った。
[時事通信社]
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