「歴史的瞬間」「見慣れず新鮮」=朝から行列、受け取り笑顔―20年ぶりの新紙幣
新紙幣発行初日の3日、新1万円札の「顔」となった渋沢栄一ゆかりの地などでは、新札を求めて人々が朝から列をつくった。20年ぶりに一新された紙幣を手にした人は「歴史的瞬間に立ち会えた」「見慣れず新鮮」と笑顔で話した。
渋沢は約200年前、埼玉県深谷市で生まれた。埼玉りそな銀行さいたま営業部(さいたま市浦和区)では午前10時から両替がスタート。7時半から並びATMでの両替に一番乗りした同市内の大学2年の男性は「歴史的瞬間に立ち会えてうれしい。電子決済も利用するが、流通したら自販機でぜひ使いたい」と語った。
偽造防止用の3次元ホログラムについては「紙幣を動かすと肖像の顔が追ってくるようだ」と驚いた様子だった。
浦和区の会社員大須賀晴子さん(50)は「見慣れなくて新鮮。外国のお札のようだ」と話した。次男が慶応大に通っているといい、「大学創設者の福沢諭吉が1万円札から消え残念がっていたが、新札を見せたら喜ぶのでは」とほほ笑んだ。
同行深谷支店(深谷市)では約150人が列をつくった。約6時間並んで一番に両替した同県川口市の無職小林幸夫さん(76)は「きょうの紙幣は特別。家に飾りたい」と笑顔。同支店では1億円分の新紙幣との記念撮影会もあり、家族連れらでにぎわった。
新千円札に採用された北里柴三郎が生まれた熊本県小国町では、生家の一部が保存されている「北里柴三郎記念館」で両替イベントが開かれた。同町の穴井栄次さん(73)は「待ち遠しかった。人生で最高の体験。使わずに額に入れて飾っておく」と興奮を隠せない様子だった。
新札は東京都内でもお目見え。日本銀行本店(中央区)に午前7時前から並んだ40代の会社員男性は、発行に合わせ北海道から来た。傷んだ紙幣との交換で新紙幣を入手し、「わくわくしている。うまく流通して日本経済が良くなれば」と期待していた。
[時事通信社]
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