セルビアのイスラエル大使館前で警官襲撃 犯人はその場で射殺
【ベオグラードAFP=時事】セルビアの首都ベオグラードのイスラエル大使館前で29日、警備に当たっていた警官が男にクロスボウ(洋弓銃)で襲撃された。襲われた警官が男を射殺した。セルビア首相は「テロ行為」と非難している。≪写真は、セルビア・ベオグラードのイスラエル大使館前で、実況見分する警察官≫
事件は午前11時ごろに発生。警官(34)は首を負傷し、病院で手術を受けた。
警察は男について、ベオグラードから約50キロ離れたムラデノバツ出身で、1999年生まれのイスラム教への「改宗者」と特定した。
当局によると、「予防的な理由」で数人が逮捕された。治安当局が以前から把握していた多数の人物が事件に関与した疑いがあるという。
イビツァ・ダチッチ内相は、逮捕者の中には、「ジハード(聖戦)」を呼びかける複数の過激派インターネットサイトの管理者として2年前に拘束され、釈放されていた人物がおり、「今回のテロ行為の後方支援や準備に直接関わった疑いがある」と述べた。
警察は複数の場所で捜索を続けているという。
アレクサンダル・ブチッチ大統領によると、当局は今回の事件前から襲撃犯の男とその仲間を追跡していたが、十分な証拠がなく、身柄拘束には至らなかった。
イスラエルのイスラエル・カッツ外相は29日、事件を受けて、「イスラエル大使館へのテロ未遂事件に対する(セルビア当局の)強力な支援と協力」に感謝するとX(旧ツイッター)に投稿した。
セルビア国内のイスラム教指導者は、負傷した警官の早期の回復を願うとともに、「このような犯罪はすべての宗教の教え、特にイスラム教の教えに反する。きょう起きた犯罪は愚かな個人によるものだ」と非難した。【翻訳編集AFPBBNews】
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