伝統工芸、訪日客に人気=日本らしさ魅力、円安も後押し
インバウンド(訪日客)の間で、日本の伝統工芸品の人気が高まっている。繊細な技巧や色彩感覚など日本らしさが魅力で、円安の後押しもあり、羽田空港のセレクトショップは外国人でにぎわう。日本各地で受け継がれてきた職人技を世界にアピールし、新たな販路の開拓や観光客の誘致を目指す動きも出ている。
「華やかで日本っぽい」。昨年12月、羽田空港第3ターミナル内にオープンしたセレクトショップ「JAPAN MASTERY COLLECTION」(ジャパン・マスタリー・コレクション、JMC)では、多くの外国人が足を止めて商品に見入っていた。
JMCには青森、石川、香川各県など各地の工芸品が数多く並ぶ。色とりどりの糸を使って紋様をあしらった香川県の「讃岐かがり手まり」は目を引く逸品だ。青森県のカラフルなガラス工芸品「津軽びいどろ」、石川県の九谷焼や金箔(きんぱく)をあしらったおちょこも人気を集める。
日本空港ビルデングが公表した羽田空港旅客ターミナル利用実績によると、2023年度の外国人利用客は約1037万人と前年度から3.4倍に伸びた。JMCの買い物客も95%がインバウンドだ。
JMCを運営する羽田未来総合研究所(東京)地方創生事業部の中村良枝さんは「各地に魅力のある工芸品は多いが、(販売先が見つからず)押し入れに山積みになっているケースもあった」と語り、「少しでもこうした職人の皆さんを助けたい」と強調する。
讃岐かがり手まりの人気を受け、工芸品の販路開拓を推進する香川県の担当者は「工芸品を通じて香川県や高松市を知った外国人が、次の機会に旅行で県や市を訪れてくれるような流れをつくりたい」と意気込んでいる。
[時事通信社]
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