各候補、SNS駆使し政策訴え=専門家は情報偏りに注意促す―都知事選
東京都知事選は7月7日の投開票に向け後半戦に入った。各候補者は街頭で有権者に訴えるだけでなく、SNSも駆使して積極的に発信している。有権者にとっては、投票の判断材料が増える利点がある一方、偏った情報を目にする可能性もあり、専門家は「幅広い情報収集を心掛けて」と注意を促している。
3選を目指す小池百合子知事(71)は、出馬表明直後に人工知能(AI)によって生成した本人そっくりの「AIゆりこ」の動画を投稿。「公務にまい進する本人に代わって」との設定で実績や政策をPRし、話題を呼んだ。蓮舫前参院議員(56)は、カジュアルな服装でライブ配信し、質問に直接答えるなど、親しみやすさを重視する。
「リアルとネットの融合」を掲げるのは、広島県安芸高田市長時代にSNSで注目を集めた石丸伸二氏(41)。街頭演説の写真は即座にX(旧ツイッター)に投稿され、聴衆にも積極的な発信を促す。全国的な関心を呼び、知名度向上を図る狙いだ。
政治家のSNS活用などを研究する「ネットコミュニケーション研究所」の中村佳美代表は、ネット選挙が解禁されて10年以上がたち、「選挙がエンターテインメント化し、話題性を求める傾向がある」と分析する。SNSでは、閲覧履歴と類似性がある投稿が優先的に表示される機能があるほか、第三者が閲覧数を増やそうと不正確な情報を発信するケースも多い。このため中村氏は「有権者側も、投稿の真偽や政策の実行可能性を見極める情報リテラシー(活用能力)が必要」と話す。
都知事選にはこのほか、タレントの清水国明氏(73)や元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)らを含め、計56人が立候補している。
[時事通信社]
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