理想と現実に隔たり=若き日本は成長途上―ラグビー日本代表戦
若き力はどこまで通用するか。日本のジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)は「力が及ばなかった。悔しくて残念だし、怒りも感じている」と振り返る。代表経験の浅い面々にとって、課題ばかりが浮き彫りになる内容だった。
開始直後から縦に速く攻め、前半6分には接点から素早くボールを持ち出したフッカー原田が体ごとインゴールへ。ただ、この先制トライの後は劣勢が続いた。「ミスで自分たちを苦しめた。チャンスで取り切らないと勝てない」とSH斎藤。速さへの意識は攻め急ぎとなり、敵陣で反則が多発した。
新チームが成長するには、戦術の構築と選手の育成が両輪となる。この試合には「世代の改革」というテーマの下、FB矢崎ら大学生も含めた新顔が多く出場した。「才能を育成し、層を厚くする」とジョーンズHC。ただ、経験を要する防御やラインアウトなどでほころびが目立ち、世界トップクラスの技術を持つ相手にかなわなかった。
プレーも判断も速い「超速ラグビー」を掲げてスタートしたばかり。フィールド脇で見守った指揮官は「集団としての速さを高めて選択肢を増やしたい。試行錯誤していく」。理想と現実の隔たりを認識することが、次代を担う面々の糧となる。
[時事通信社]
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