「諭吉」から「渋沢」へ=せんべい・玩具もデザイン刷新
20年ぶりの紙幣刷新を来月3日に控え、お札がデザインされた食品や玩具も商品の切り替えが進んでいる。東京・日本橋本石町の日銀貨幣博物館では、土産物コーナーに一足早くお目見えした渋沢栄一らの「お札せんべい」が売れ筋。本物そっくりのおもちゃのお札からも、福沢諭吉ら現紙幣に描かれた偉人が姿を消す。
貨幣博物館でお金に関するグッズを販売するときわ総合サービス(東京)は、新紙幣の発行が決まった2019年4月以降、商品デザインを順次切り替えてきた。現紙幣の関連商品は残すところ福沢のハンカチのみとなり、在庫限りで販売を終了する。
新札グッズの中では、特に渋沢と津田梅子、北里柴三郎の3人がデザインされた「お札せんべい6枚入り」の売れ行きが好調。今年の売り上げは、半年足らずで既に昨年1年分を上回った。担当者は「ここ1、2週間は注文が増えて一時的に欠品している」と、うれしい悲鳴を上げた。
渋沢が晩年を過ごした東京都北区の「渋沢逸品館」は今春、新1万円札をかたどったパンを発売した。縦と横のサイズも本物とほぼ同じ。津田と北里のパンは、紙幣刷新の前日に追加「発行」する。
幼児用教材などを販売するしちだ・教育研究所(島根県江津市)は、「おもちゃのおかね」のデザインを年明け早々に変更する予定。七田厚社長は、新札が出回ってからじっくりと観察して「厳密に再現する」と意気込む。
福沢の後を継ぐ渋沢の肖像がカフェラテの泡の表面に浮かぶ「新一万円札発行記念 渋沢栄一ラテ」を限定販売するのは、タリーズコーヒージャパン(東京)。渋沢が初代会頭を務めた東京商工会議所が入居する東京・丸の内のビル1階の店舗で7月末まで楽しめる。
[時事通信社]
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