2024-06-28 22:20スポーツ

豊田、攻めて夢舞台へ=「1枚目」の切符獲得―陸上日本選手権

男子400メートル障害で大会新記録を樹立して優勝し、パリ五輪代表に決まった豊田兼=28日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム
男子400メートル障害で大会新記録を樹立して優勝し、パリ五輪代表に決まった豊田兼=28日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム

 パリ行きを決め、右腕を突き上げた。男子400メートル障害決勝。豊田は自己記録を一気に0秒37も縮め、日本人3人目の47秒台をたたき出した。27日の予選後は「将来的に」と話していた48秒の壁を早くも乗り越え、「1枚目」の五輪切符を手にした。
 守りに入る選択肢はなかった。「もし五輪に出場する場合に、前半で飛ばすレースを試すタイミングがない。この決勝の舞台が絶好」。後半重視にした予選とは違ったレース運びで悠々と先頭に立ち、「はまったレースだった」と喜んだ。
 195センチの長身を生かしたハードリングが持ち味。昨年10月に同じ会場で五輪参加標準記録を突破した後は、走力強化に努めた。父の母国フランスで行われる五輪を前に大きく飛躍し、「冬季練習をしっかりけがなく積めたのが、今の結果につながっている」と手応えを口にする。
 21歳の新鋭はこれだけでは満足せず、29、30日の110メートル障害でも代表を狙いにいく。「予選で感覚を取り戻しつつ、決勝に向けて徐々に切れを上げていきたい」。あと0秒02に迫っている参加標準記録(13秒27)の突破をにらみ、異例の挑戦への決意を示した。 
[時事通信社]

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