「出生率0.99」に危機感=各候補が対策強化訴え―都知事選
厚生労働省が公表した2023年の人口動態統計によると、1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」が東京で1を割り込み0.99となった。少子化が加速すれば、街の活力維持にも悪影響をもたらしかねない。都知事選(7月7日投開票)で、各候補は少子化に対する危機感を表明し、対策強化を訴えている。
小池百合子知事(71)はこれまで、0~18歳の都民への月5000円支給や、高校授業料無償化の所得制限撤廃などに取り組んできた。子育て世帯の経済的な負担を抑えるのが狙いで、こうした施策については「若いママさんパパさんたち、これから結婚しようと思っている方々にも大きな希望を与えてきた」と語る。
3期目に向けては、第1子の保育料無償化や無痛分娩(ぶんべん)への補助といった新規施策を打ち出す。「子育て、教育にお金のかからない東京」を目指すという。
これに対して、少子化の原因を「非婚化が進んでいるから」と分析するのは蓮舫前参院議員(56)だ。「将来への不安を取り除けば、結婚などの夢を諦めずに済む」と、まずは若者の所得を向上させることが最優先と強調する。
具体策としては、都の非正規職員の正規雇用化を提唱。都と契約する企業に賃金の引き上げを求める条例の制定も掲げる。
前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)は、「少子化は国全体の問題。自治体レベルで議論しても意味がない」と持論を述べた上で、教育への投資を主張。業務を支援するスタッフを小中学校に配置し、教員の負担軽減を目指す。
タレントの清水国明氏(73)は、病児保育施設の増設による共働き家庭支援を訴える。元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)は、若者の都民税減税を重視する。
[時事通信社]
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