日銀の7月利上げが焦点=円安で物価上振れリスク
日銀が3月のマイナス金利解除に続く政策変更のタイミングを慎重に模索している。円安や原材料高を受けて、企業による値上げが相次ぎ、物価の上振れリスクが強まっていることが背景。ただ、拙速な金利引き上げは景気にブレーキをかける恐れもあり、7月末の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るかが焦点となっている。
「(企業の)価格転嫁によって物価が上振れる可能性もあり、金融緩和のさらなる調整の検討も必要だ」。日銀が24日公表した6月会合の「主な意見」によると、政策委員の一人が、追加利上げを検討すべきだと主張。また、「次回会合に向けてデータを注視し、遅きに失することなく、適時に金利を引き上げることが必要だ」との意見も出された。
24日の東京外国為替市場の円相場は、一時1ドル=160円目前まで下落するなど円安圧力が再燃。政府・日銀が為替介入したとみられる4月29日以来、約2カ月ぶりの円安水準を付けた。根強いインフレ圧力から米国の利下げ観測が後退する中、市場では日銀の次の一手に注目が集まっている。
ただ、日銀は7月会合で、現在は月間6兆円程度で行っている国債買い入れについて、減額の具体策を決める予定。このため、「7月に利上げを同時に行うのはハードルが高い」(国内証券)との見方もある。
一方、植田和男日銀総裁は18日に国会で、7月利上げについて「場合によっては十分あり得る」と強調。国債買い入れの減額との同時実施を排除しない考えを示した。
[時事通信社]
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