国債入札、長期債の増額検討=24年度計画、日銀政策変更に対応―財務省
財務省が2024年度国債発行計画で、投資家の需要に応じ国債を追加発行する「流動性供給入札」について、満期までの期間が「5年超15.5年以下」の長期債の入札額を増やす方向で検討に入ったことが21日、分かった。15.5年超の超長期債の入札額は減らす。日銀の金融政策変更に伴う需要の変化に対応し、安定的な国債消化を進める狙い。
日銀は3月、マイナス金利政策を解除し、13年に始めた大規模金融緩和策を転換した。今月14日の金融政策決定会合では国債買い入れ減額を決めた。国債発行を円滑に進めるには、最大の買い手である日銀に代わる保有者の確保が課題となっている。
財務省は、銀行を中心に需要が見込める「5年超15.5年以下」の長期債の入札額を増やすことで、金利抑制につなげる考え。「15.5年超39年未満」の超長期債の入札額は減らし、全体額は維持する。今後、証券会社や銀行などの市場参加者と意見交換し、決定する。
24年度計画では、入札方式で定期的に国債を発行する金額(カレンダーベース市中発行額)は171兆円。このうち流動性供給の入札額は13兆2000億円。期間別では「1年超5年以下」が3兆円、「5年超15.5年以下」が7兆2000億円、「15.5年超39年未満」が3兆円と想定していた。
財務省は21日、有識者で構成する「国の債務管理に関する研究会」を開いた。研究会は、銀行は国債保有を増やす余地があるとして、ニーズを考慮し満期までの期間を短期化する必要があると提言。個人向け国債の商品拡充なども求めた。同省は今後の発行計画への反映を検討する。
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