進む交番の整理統合=相次ぐ襲撃受け―大阪府警
大阪府警は、2019年の千里山交番襲撃事件を受け、交番の整理統合を進めている。狙われるリスクがある1人配置の交番を、10年かけて段階的に廃止。近隣交番と統合して人員を増やすことで対処能力を向上させる計画だ。
18年6月に富山市の交番で、男性警部補(当時)が刺殺され拳銃が奪われた。同9月にも、仙台市の交番で男性巡査長(同)が刃物で刺され死亡。拳銃の強奪が目的だったとみられている。
相次ぐ襲撃を受け、全国の警察で耐刃防護服の常時着用や、侵入されにくいカウンターの配置などの安全対策が強化される中、19年6月に千里山交番の襲撃が起きた。
事件を受け、府警は交番の「最適化」を始めた。事件当時、府内の交番と駐在所は計647カ所あったが、19~23年度に交番19カ所を廃止。30年度までに計600カ所以下まで整理統合を進める計画だ。
ある幹部は「1人で交番にいるのはリスクが高いが、交番の数が多く、1人で勤務せざるを得ない」と明かす。「1人配置を可能な範囲で減らして、近隣交番と統合して人員を増やすが、地域住民と相談しながら進める」と話す。
全国的にも、見直しが始まっている。警察庁は治安情勢の変化に伴う組織改革の一環として、交番や駐在所の勤務形態の柔軟化を推進。昨年6~10月、複数交番によるブロック制などの試行運用を実施した。全国的に導入できるよう、国家公安委員会規則などの改正を検討している。
[時事通信社]
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