小池氏勝敗、岸田政権を左右=自民、支援にジレンマ―都知事選
東京都の小池百合子知事が3選出馬を表明した都知事選(20日告示、7月7日投開票)について、自民党は独自候補を立てず、小池氏の支援に回る。衆院3補欠選挙や地方選に続き、首都決戦でも「敗北」すれば岸田文雄首相の政権運営が一層厳しくなるのは確実。一方で「自民」色が強まれば逆効果となりかねないジレンマも抱え、支援態勢を固め切れないでいる。
自民執行部は「都連と連携し全力で臨む」(茂木敏充幹事長)と小池氏支援の方針を打ち出す。都知事選は立憲民主、共産、社民各党が支える蓮舫参院議員との「与野党対決」の構図となる見通しだ。
自民は4月の3補選で全敗し、5月の静岡県知事選、6月の東京都港区長選でも推薦候補が敗れた。派閥裏金事件の逆風が続いており、小池氏勝利で連敗の流れを止めたい考えだ。
小池氏は自民出身だが、2016年の初当選時は党都連を「ブラックボックス」と批判。17年衆院選では「希望の党」を率いて自民と対決した。しかし最近は、今年1月の東京都八王子市長選で自民推薦候補の応援に駆け付けるなど、接近が目立つ。自民関係者は「今の情勢では小池氏が有利」とみている。
一定の組織力を持つ自民について、小池氏を支援する公明党からは「接戦になれば自民支持団体の動向は無視できない」(関係者)との期待がある。一方で裏金問題を抱えた自民が表立って動けば無党派層の反発を受ける「もろ刃の剣」となるとの懸念も広がる。
自民内では選挙期間中でも政治活動ができる「確認団体」を設立して間接支援する案も浮上するが、「はしゃがない方がいい。自民がやっていると書かれた選挙は全て負ける」(東京選出の国会議員)と慎重論も出ている。党関係者は選挙態勢について「小池氏の都合が全て。苦しい立場だ」と語った。
立民、共産両党は裏金事件の争点化を狙う。立民の安住淳国対委員長は12日の党会合で「首都東京で政治とカネの問題を審判してもらう選挙にしなければいけない」と強調。共産の田村智子委員長も「小池都政、自民、公明両党への審判を下す選挙になる」と息巻いた。
[時事通信社]
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