デフレとの闘い「終幕が視野」=国際会議で講演―内田日銀副総裁
日銀の内田真一副総裁は27日、東京・日本橋の本店で開かれた国際会議で講演した。3月にマイナス金利解除など大規模金融緩和から政策転換したことについて、「人々の物価観を(目標の)2%に定着させるという大きな課題は残っているが、デフレとの闘いの終幕は視野に入った」との見方を示した。
日本でデフレが長引いた背景については「1990年代から2000年代にかけ、慢性的な需要不足により物価は低下したが、当時の金融政策は需要を十分に刺激できなかった」と説明。日本経済特有の現象として、「現在の物価と賃金は将来も変わらないというノルム(社会通念)を生み出した」とも指摘した。
内田副総裁は、人手不足の深刻化など労働市場が構造的に変化しているほか、デフレ的なノルムも「解消に向かっている」と分析。「今回こそはこれまでと違う」と強調し、日本経済がデフレに後戻りしないことに期待感を示した。
[時事通信社]
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