イスラエル首相、逮捕状請求に反発=米とラファ侵攻の代替案協議
【カイロ時事】国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)のカーン主任検察官が20日、イスラム組織ハマスの指導者と並んで戦争犯罪などの疑いでイスラエルのネタニヤフ首相らの逮捕状を請求したことについて、ネタニヤフ氏は同日、「歴史的暴挙」だと非難した上で、「このもくろみは完全に失敗する」とICCに強く反発した。
カーン氏が逮捕状を請求したのはネタニヤフ氏とイスラエルのガラント国防相のほか、ハマスの最高指導者ハニヤ氏ら。バイデン米大統領も20日の演説で、パレスチナ自治区ガザで「今起きていることはジェノサイド(集団殺害)ではない。イスラエルとハマスは決して同じではない」と表明。南アフリカが昨年、イスラエルがジェノサイドを行っているとして国際司法裁判所(ICJ)に提訴したことも念頭に、イスラエル擁護の姿勢を強調した。
一方、ホワイトハウスによると、ガラント氏は20日、イスラエルを訪問したサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)と会談。イスラエル側はバイデン米政権が懸念するラファへの大規模侵攻の「代替となる新たな方策」について説明したという。詳細は不明だが、ハマス指導部に標的を絞った作戦や、民間人保護策などを話し合った可能性がある。
イスラエル紙エルサレム・ポストによると、同国軍は20日、過去2週間で約95万人がラファから避難し、現在残っているのは30万~40万人だと推計した。軍は既にラファの3~4割を制圧したという。ガラント氏は16日、ラファでの地上作戦に部隊を追加投入する意向を明らかにしていた。
[時事通信社]
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