手術乗り越え充実のキャリア=ダルビッシュ、向上心が支えに―米大リーグ
ダルビッシュが苦難を乗り越え、200勝の大台に到達した。レンジャーズで3年連続2桁勝利を挙げた後の2015年3月に右肘の靱帯(じんたい)を手術。28歳で迎えた試練を経て、さらに充実のキャリアを重ねた。
手術後は前向きな気持ちを失わずにリハビリを続けた。大リーグ復帰登板は16年5月で、ほぼ予定通りにカムバック。だが、その後の経過は思わしくなかった。「16年と17年に(合わせて)4回くらい、靭帯がまた切れたと思うほどの痛みがあった」。検査で異常はなかったが、納得のいく投球ができるまでには時間を要した。
18年にわずか1勝に終わった後、19年は6勝。コロナ禍で短縮シーズンになった20年に8勝を挙げ、日本人投手で初めて最多勝のタイトルに輝き復活を印象付けた。投球スタイルは手術前から変化した。テークバックを小さくし、より制球力を重視。手術前の3年間は1試合(9イニング)平均で3個以上の四球を与えていたが、19年以降は改善し、20年は1.66個まで減った。
日本球界時代から多彩な変化球を操ってきたが、カブス在籍時には同僚からナックルカーブを教わって武器に加えた。最近も、対戦相手ドジャースの山本の投球練習を近くで観察する姿があり、そのフォームを見て「自分に生かしたい」。飽くなき向上心を持ち、年齢を重ねながら成長を追い求め続ける。貪欲な姿勢もダルビッシュを支えている。 (アトランタ時事)
[時事通信社]
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