バオバブの起源、マダガスカルか=4100万年前に出現―国際チーム
アフリカ大陸やマダガスカル島、オーストラリア北西部に分布する巨木バオバブの起源は、同島にある可能性が高いことが分かった。中国科学院武漢植物園や英ロンドン大クイーンメアリー校などの国際研究チームがアオイ科バオバブ属の8種の全遺伝情報(ゲノム)を解析した成果で、15日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
現存する8種のうち1種はアフリカ大陸の広域、1種は豪州北西部に分布し、残り6種はマダガスカル島西部に広がる。解析の結果、8種の共通祖先は約4100万年前に出現し、約2100万年前にアフリカ大陸の種と豪州の種が分岐。残り6種が約1200万年前までに分かれたと推定された。
バオバブは果実が食用にされ、「生命の木」や「森の母」と呼ばれて住民に親しまれているほか、古代から文化芸術に取り上げられ、フランスの作家サンテグジュペリの童話「星の王子さま」にも登場する。
しかし、近年は開発や温暖化などで分布域が縮小し、遺伝的多様性が低下して大半の種が絶滅の危機にある。研究チームはゲノム解析結果を活用し、種ごとの保護策を強化するよう訴えている。
[時事通信社]
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