初外遊控え「駆け足」組閣=新旧国防相も訪中同行―ロシアのプーチン大統領
ロシアのプーチン大統領は14日、全閣僚を正式任命し、新内閣を発足させた。9日にモスクワの「赤の広場」で軍事パレードを率いたばかりのショイグ前国防相は退任。16日からのプーチン氏訪中を控え、上下両院は人事に当たって憲法上必要な手続きを駆け足で済ませた。
大統領府によると、新内閣の閣僚多数が訪中に同行。プーチン氏と習近平国家主席の非公式会談には、ベロウソフ新国防相に加え、安全保障会議書記に転出したショイグ氏も同席する。交代による混乱を回避する狙いがあるもようだ。
「前例のないハイレベルな戦略的パートナーシップが後押しした」。プーチン氏は中国国営新華社通信の書面インタビューで、通算5期目で初の外遊先に中国を選んだ理由を説明した。ベロウソフ氏にとっても中国の董軍国防相と初の顔合わせで、軍・国防省トップとしての「外交デビュー」となりそうだ。
経済学者出身のベロウソフ氏は、持続可能な「戦時経済体制」の構築が任務とされるが、独自色はまだ見えない。任命に先立つ13、14両日に上院で所信表明を行い、ウクライナ侵攻に参加する兵士の福利厚生の充実を要求。一方で「追加動員はない」「軍の経済と国の経済の統合が課題」と述べたが、これらはペスコフ大統領報道官の発言内容と変わらない。
国防相交代に伴う軍首脳の人事にも注目が集まっている。仮に2012年からショイグ氏の下で仕えてきた軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長を交代させれば、侵攻に影響しそうだ。昨年6月の民間軍事会社「ワグネル」の反乱後に失脚したスロビキン上級大将「復帰」の観測も浮上している。
[時事通信社]
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