2024-05-10 12:51

経済安保新法が成立=重要情報、適性評価で指定

 経済安全保障分野の重要情報について、取り扱う資格者を政府が認定する「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度を創設する新法が10日の参院本会議で自民、公明両党や立憲民主党などの賛成多数で可決、成立した。情報を漏えいした場合、5年以下の拘禁刑など罰則を科し、経済安保上の機微情報の管理を強化する。
 新法の名称は「重要経済安保情報の保護および活用に関する法律」。
 サイバー対策や供給網の脆弱(ぜいじゃく)性といった安全保障に支障を来す可能性のある情報を、「重要経済安保情報」に指定。政府が犯罪歴や精神疾患など7項目について身辺調査した上で、情報漏えいの恐れがないと認めた人に限って機微情報を提供する。
 重要情報の指定範囲など詳細は今後、運用基準で明確にする。機密性がより高い防衛や外交などの4分野で、適性評価を導入している特定秘密保護法と2段階で運用する。 
 適性評価の対象が経済安保に関する情報にも広がることで、企業の研究者ら民間人の資格保有者が増加する見通し。制度が透明に運用されるよう、重要経済安保情報の指定や解除などの状況を国会に毎年報告する仕組みとする。
 岸田文雄首相は9日の参院内閣委員会で「情報保全の強化に加え、企業にとっても国際共同研究開発に参加する機会が増え、産業競争力の強化につながるメリットがある」と指摘していた。
[時事通信社]

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