ガザ交渉、イスラエルが休戦案「拒否」=米、ラファ侵攻なら武器支援せず
【カイロ時事】イスラエルのネタニヤフ首相は8日、パレスチナ自治区ガザの戦闘休止を巡る交渉に関連してバーンズ米中央情報局(CIA)長官とエルサレムで会談した。イスラエルメディアによると、ネタニヤフ氏はイスラム組織ハマスが受諾したとした休戦案について「あらゆる点でレッドライン(譲れない一線)を越えており、受け入れられない」と拒否する考えを示した。
先にハマス側が受け入れを表明した休戦案は内容がハマスの意向に沿って変更されていたという。ハマスは譲歩しない構えで、イスラエルが完全に拒絶すれば休戦交渉は一層先行きが見通せない状況に陥る。ハマスの代表団は9日、交渉が行われていたエジプトを離れた。
バーンズ氏は会談でネタニヤフ氏に、ハマスとの交渉の余地は依然残っていると伝達。休戦案に盛り込まれた「戦闘終結」は「全面的な停止」ではなく、「一時的な休止」と捉えるべきだと指摘し、イスラエル側に軟化を促したという。
会談にはイスラエルのガラント国防相や対外情報機関モサドのバルネア長官らが同席。イスラエル側はこれに対し、米国からの武器供与の一部停止がハマス指導部を喜ばせることにつながったと指摘。このことが合意を困難にすると述べたと報じられている。
ガザ最南部ラファへのイスラエル軍の本格侵攻を懸念するバイデン米大統領は8日、CNNテレビのインタビューで、ラファへの地上侵攻が実施されれば「武器を供与しない」と明言した。オースティン国防長官も8日、イスラエルへの大型爆弾などの一部弾薬の輸出を「一時的に停止している」と明らかにしていた。
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