2024-05-09 19:21

「ジョブ型人事」の事例集作成=競争力強化へ情報共有―新資本主義会議

 政府は9日、新しい資本主義実現会議(議長・岸田文雄首相)を首相官邸で開き、企業内での労働移動を円滑化する方策などを議論した。政府は仕事に必要なスキルを明確にして採用や育成、配置を決める「ジョブ型人事」の事例集を作成する方針を提示。他企業の導入事例を参考にしてもらい、競争力強化に必要な専門人材の確保や育成、働きがい向上に資する人事制度の横展開を図る。
 首相は会議で、「若い人の終身雇用に対する考え方が急速に変化している」と強調。持続的に賃金が上昇していく環境を実現する観点からも、スキルに応じた報酬を得られるジョブ型人事の導入を進めていく考えを示した。
 事例集には、ジョブ型人事を導入済みの20社程度について、制度の内容や報酬体系などの情報を盛り込み、夏ごろ公表する見込みだ。人材戦略は業種や規模によって異なるため、自社に合った制度を選択する際の参考にできるようにする。 
 会議に提出された論点案では、終身雇用や会社主導を前提とする従来の人事制度では、(1)最先端の知見を有する専門人材が採用しにくい(2)若手を適材適所で抜てきしにくい(3)海外ではジョブ型人事が一般的で人材保持が難しい―といった指摘が出た。また、「従業員の自律的なキャリア形成」の観点からもジョブ型人事の普及が必要との見解が示された。
[時事通信社]

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