160年前の中絶禁止法廃止へ=大統領選で激戦の米アリゾナ州
【ワシントン時事】米西部アリゾナ州の州議会上院は1日、人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁じた160年前の州法を廃止する法案を可決した。下院は可決済みで、米メディアによると、ホッブス州知事(民主)が署名して成立する見通しだ。
アリゾナは11月の大統領選の激戦州。中絶の全面禁止は民主党だけでなく、無党派層や共和党穏健派も反対するなど争点の一つとなっている。
同州の罰則を伴う中絶禁止法はアリゾナが準州時代の1864年に成立した。中絶の憲法上の権利を認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」以降、凍結状態だったが、連邦最高裁が2022年に中絶の合憲性を覆したことを受けて、州最高裁が今年4月に効力を認める判決を下していた。
廃止法案は賛成16、反対14で可決。民主党議員全員に加え、共和党から2人が賛成に回った。中絶禁止法が廃止されれば、22年3月に成立した妊娠15週以降の中絶を禁止する州法が適用される。
バイデン大統領の陣営は、地元民主党指導部の怒りの声を紹介する形で「中絶禁止法を復活させたのはトランプ(前大統領)だ」と非難した。
[時事通信社]
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