岸田首相、仏・南米へ出発=新興国との連携アピール
【パリ時事】岸田文雄首相は1日、フランス、ブラジル、パラグアイ歴訪に向け、政府専用機で羽田空港を出発した。最初の訪問地となる仏パリで2日午前(日本時間同日午後)、経済協力開発機構(OECD)の閣僚理事会で基調演説する。南米訪問も含め、新興・途上国「グローバルサウス」重視の姿勢を打ち出したい考えだ。
首相はパリに1日午後(日本時間2日未明)到着。閣僚理事会での演説では、自由で公正な経済秩序の発展に向け、OECDと東南アジアの連携強化の必要性や生成AI(人工知能)の国際的なルール整備の推進を訴える。今年は日本のOECD加盟60年。日本の首相による演説は2014年の安倍晋三氏以来で10年ぶり。
首相はマクロン仏大統領とも会談し、安全保障協力の強化や中東・ウクライナ情勢を巡り協議する。
ブラジルのルラ大統領とは3日午前(日本時間同日午後)に会談。今年の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)議長を務めるルラ氏と、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化へ連携を確認する。その後、南米唯一の台湾承認国パラグアイに移り、ペニャ大統領と会談する。
国際会議などを伴わない首相の南米訪問は10年ぶり。当初、今年1月の南米訪問を検討したが、自民党派閥の裏金事件への対応で見送っていた。
日本出発に先立ち、首相は羽田空港で記者団に、OECD演説について「ルールに基づく自由で公正な国際経済秩序を構築、強化する取り組みを主導していくことを訴えたい」と強調。南米訪問に関し「ルラ氏と2国間関係、国際場裏での連携を確認したい。ペニャ氏と国際的な課題についても意見交換したい」と語った。
[時事通信社]
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