井上尚、破壊力や距離感で優位=ネリの独特のパンチは要警戒―ボクシング世界戦
プロボクシングの世界タイトルマッチ4カードが6日、東京ドームで開催される。マイク・タイソン(米国)がメインを務めて以来となる34年ぶりの歴史的興行で、世界主要4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が主役を担う。
井上尚はスーパーバンタム級の世界ボクシング評議会(WBC)と世界ボクシング機構(WBO)の各王座は2度目、世界ボクシング協会(WBA)と国際ボクシング連盟(IBF)は初の防衛を目指す。挑戦者は元世界2階級王者ルイス・ネリ(メキシコ)。史上2人目となる2階級での4団体統一を遂げた井上尚は、初めて4本のベルトを守る戦いに臨む。
両者とも身長165センチで、リーチもほぼ同じ。戦績は井上尚が26戦全勝(23KO)、左構えのネリは35勝(27KO)1敗。井上尚のKO率は驚異の88.5%で、破壊力に加え、詰めたり離れたりの距離感やコンビネーションにも優れる。「危険もあるが、期待できる試合になる」と自信を示す通り、好戦的なスタイルの相手に本来のボクシングをすれば、早期KO決着もあり得る。
ネリは荒々しい接近戦を得意とし、井上尚が所属するジムの大橋秀行会長は「怖さは過去一番」と言う。少し遅れたタイミングで届くパンチは独特で、井上尚は「ずれが生じるか、当日に確かめたい」と警戒する。
「悪童」と呼ばれるネリはかつて山中慎介との初対戦でドーピング疑惑が浮上し、再戦では上限体重超過の失態を犯した。今回も「井上尚は過大評価されている」と口も達者なところを見せ、試合前の場外戦が熱を帯びている。
[時事通信社]
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