攻めて初の栄冠=中野、悔しさ胸に―全日本柔道
2―1の旗判定を見届けた中野は、天を見上げた。「1年間、優勝するためだけに頑張ってきたので」。23歳で手にした初の栄冠。大粒の汗をぬぐいながら胸を張った。
準決勝は昨年覇者の王子谷に開始36秒で一本勝ち。8分間で争う決勝は後半勝負を狙っていたベテランの原沢に対し、「前半、後半とか考えなかった」。序盤から切れのある足技で畳にはわせた。釣り手争いで妥協せず、終盤までなかなか奥襟を持たせなかった。
高校、大学と天理で実績を残し注目されてきたが、社会人1年目で迎えた昨年の全日本は大学1年生だった新井道大に完敗を喫した。悔しさを胸に睡眠など普段の生活リズムから見直し、「自分の弱さと向き合った」。今月上旬の選抜体重別で敗れた後は、天理大の恩師で全日本優勝経験がある穴井監督に1週間、つきっきりで追い込んでもらい、「それが試合前の自信になった」と言う。
パリ五輪100キロ超級代表の斉藤立は1学年下。4年後のロサンゼルス五輪を目指す中野は「絶対に意識しないといけない選手。どんどん挑んでいきたい」。大きなタイトルを手にして、ライバル心を隠さなかった。
[時事通信社]
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