2024-04-26 23:20スポーツ

「多くを教わった」「偉大な存在」=笠谷さんの死悼む―ノルディックスキー・ジャンプ

笠谷幸生さん
笠谷幸生さん

 1972年札幌五輪のノルディックスキー・ジャンプで日本に冬季大会初の金メダルをもたらした笠谷幸生さんが23日に80歳で死去した。26日に届いた訃報を受け、関係者からは悼む声が相次いだ。
 ジャンプでは笠谷さん以来の金を獲得したのが、98年長野五輪。個人、団体で2冠の船木和喜(フィット)は「笠谷さんからいただいたお言葉は私の背中を押している。これからもずっと憧れ」と自身のSNSにつづった。
 同団体メンバーで、全日本スキー連盟の原田雅彦副会長は「常に寄り添い、たくさんのことを教えていただき、私が途方に暮れたときも力強く励ましてくれた」と故人をしのんだ。北海道・余市高(現余市紅志高)の後輩にあたる斎藤浩哉・雪印メグミルクスキー部元監督は、幼い頃から余市町の「笠谷シャンツェ」で練習を重ねてきた。「あまり多くを語らない方だったが、『強くなるためにはいろんなことにチャレンジしないと変わらない』と言われたことを覚えている」と思い出を語った。
 現役選手では、51歳の葛西紀明(土屋ホーム)が「スキージャンプ界を代表する偉大な方。子供の頃から憧れの存在だった」。2022年北京五輪金の小林陵侑(チームROY)は「ジャンプ界のみならず、スキー界をリードしてくれた方」と敬意を示した。
 荻原健司・長野市長は92年アルベールビル五輪複合団体で笠谷さん以来、日本勢20年ぶりとなる金。「憧れの先輩に近づけた喜びが今でも私の心に深く残っている。日本スポーツ界にとっての偉大な存在を失い、大変残念」。94年リレハンメル五輪複合団体金の阿部雅司さんは「選手をやっているときは神様みたいな感じでかなり雲の上の人だった」と語った。
[時事通信社]

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