陸海自で特定秘密漏えい=22年以来、5人懲戒処分―外部流出はなし・防衛省
防衛省は26日、特定秘密保護法で定める「特定秘密」を、取り扱い資格がない自衛隊員に触れさせる情報漏えいが陸上自衛隊と海上自衛隊で各1件あったと発表した。外部への流出はないという。同省は関係者を停職などの懲戒処分とし、内部に再発防止検討委員会を設置した。
特定秘密の漏えいは2022年12月、元1等海佐=懲戒免職=がOBに情報を伝えたことが発覚して以来。再発防止に取り組む中、情報保全への甘い認識が浮き彫りになった形だ。
木原稔防衛相は26日の閣議後記者会見で「秘密情報を保有する防衛省であってはならない事案。極めて深刻に受け止めている」と述べ、同種事案の点検調査を行うとした。
同省によると、海自の護衛艦「いなづま」で22年6月、当時の艦長(40代男性1佐)が、適性評価が未実施で資格のない隊員を「特定秘密取扱職員」に指名。隊員は艦内の戦闘指揮所で約2カ月間、画面に表示される艦船の航跡情報などの秘密に触れた。
艦長は資格を確認せず、部下の管理担当者らも含め名簿管理や定期検査がずさんだった。今年2月の点検で判明し、艦長ら3人を停職6日、1人を減給とした。
陸自では昨年5月、北海道の上富良野演習場で行われた北部方面隊の実動訓練で、部隊指揮官だった50代の男性2佐が、有事の対応など特定秘密の内容を盛り込んだ訓示をした。秘密を知る立場にない隊員15人が含まれており、気付いた部下が口外禁止を命じたという。
2佐は上司に報告しておらず、通報で発覚。「訓練への意識を高めるため深く考えず発言した。報告が必要という認識もなかった」などと釈明した。同省は2佐を停職6日とし、特定秘密保護法違反容疑で警務隊に告発状を出す。
[時事通信社]
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