災害伝承碑「活用を」=地図記号発表から5年・国土地理院
過去に発生した津波や水害などの災害を後世に伝える「自然災害伝承碑」の地図記号が発表されてから5年が経過した。国土地理院のウェブ地図「地理院地図」への掲載は年々増加。3月時点で全国2000基を超え、防災教育への活用も広がっている。
過去の災害の被害状況や先人からの教訓が刻まれた石碑やモニュメントは昔から各地にあったが、時間の経過とともに忘れ去られるケースが散見。2018年の西日本豪雨災害で再認識されたため、国土地理院は19年3月に「自然災害伝承碑」を示す地図記号を発表し、周知や普及を開始した。
市区町村からの申請に基づき、同院が内容などを調査した上で掲載。同年6月の開始当初は27都府県の48市区町村158基だったが、今年3月時点で全国の602市区町村2099基まで増えた。
地理院地図で石碑をイラスト化した記号をクリックすると、碑などの写真に加えて災害名、発生・建立年、被害状況などが表示される。
東京都内では霞が関の文部科学省敷地内に関東大震災関連の碑があるほか、今月17日に最大震度6弱を観測した高知県宿毛市にも江戸時代の地震・津波などを伝える6基が残る。
最も古い災害は平安時代の1026年にあった津波で、江戸後期に「松崎の碑」(島根県益田市)が建てられた。災害の種類は地震や津波、台風などの水害、火山噴火、地滑りなど多岐にわたる。津波や水害は同じ場所で繰り返し発生する危険性が高く、同院は「身の回りで過去に起きた災害を知ることは防災意識向上に役立つ」としている。
伝承碑を巡る町歩きのほか、学校教育でも活用されている。広島県福山市の熊野小では21年、6年生が授業で校内に建つ水害碑を調査。1920(大正9)年に豪雨で池が決壊し、下流の家屋が流された災害について、当時の記録などを確認し、掲載につながった。
国土地理院の担当者は「大型連休など旅行先での防災に役立つ情報の一つとしても活用してほしい」と話している。
[時事通信社]
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