しらふで楽しむコーチェラ 米フェスで広がる選択的ノンアル
【インディオ(米国)AFP=時事】】米カリフォルニア州インディオの砂漠地帯で、今年も野外音楽フェスティバル「コーチェラ・バレー・ミュージック&アートフェスティバル」が2度の週末にわたって開催されている。デボラ・ビーガジュさんは、10年ほど前から参加しているが、夫のピオトルさんと共に最近はほとんど会場でお酒を飲まない。≪写真は、「コーチェラ・バレー・ミュージック&アートフェスティバル」に出店した「ザ・ニュー・バー」で、ノンアルコール飲料を買い求める参加者。米カリフォルニア州インディオにて≫
「お酒を飲み過ぎると、フェスを十分に楽しめない気がした」「今年は前よりずっと楽しい。あまり飲んでいないので」と言う。
こうした考えを持つのはビーガジュさん夫婦だけではない。最近の多数の調査結果が示しているように、ミレニアル世代とZ世代は、さまざまな理由からアルコールをあまり飲まなくなっている。二日酔いにならずに楽しい気分を味わえるノンアルコールのスピリッツやビール、ワインが手に入りやすくなったため、そうした選択も容易になった。
ロサンゼルスを拠点とするノンアルコール飲料専門店「ザ・ニュー・バー」は、昨年初めてコーチェラ・フェスと提携。主催者側にとっても初の試みとなった。
コーチェラでは、多くの参加者がステージに隣接したキャンプサイトで夜を過ごすが、昨年は、しらふで過ごしたい人々のために、キャンプサイトに禁酒エリアが設置された。
さらに近年では、コーチェラをはじめ、ニューヨークのガバナーズ・ボール・ミュージック・フェスティバルの会場内に、アルコール依存症者の自助グループによる集いの場が設けられるようになった。
ただ、砂漠の炎天下で行われるコーチェラでは脱水症状のリスクもあるため、より快適に楽しめるという単純な理由から、お酒をあまり飲まないという人ももちろんいる。
ザ・ニュー・バーで提供される飲料は、一見するとカクテルのようだ。「ゴールデン・アワー・マーグ」という飲み物には、アルコール分を取り除いたアガベ・スピリッツに、ウチワサボテンのシロップ、ライムジュースが入っており、グラスにはマリーゴールドの花も添えられている。
ザ・ニュー・バーの創設者、ブリアンダ・ゴンザレスさんはAFPに、「アルコールを飲んでいそうな人たちの周りでは、見た目や雰囲気が似ている飲み物を手にすることで、心理的にその空間になじみやすくなる」と話す。
同店は、4月下旬に開催されるカントリーミュージックの祭典、ステージコーチにも出店する予定だ。
■心の健康を重視し、アルコールを敬遠
ゴンザレスさんは、自身の心の健康を重視するZ世代の特徴に触れながら、アルコールが「若い消費者には魅力的な物として捉えられていない」と指摘した。
「飲酒が不安やうつ傾向に関係しているということはほぼ明らかで、そうした感情は多くの人に敬遠されている」
冒頭のピオトルさんも、趣味で自転車に乗ることを始めたが、飲酒によってその活動に支障が出ることに気が付いたと話す。
しかし、ピオトルさんもデボラさんも、アルコールを減らした代わりとして、単に水や清涼飲料水を欲するようになったという訳ではないと言う。
「アルコールの代わりになる良い飲み物があった方がもちろんいい」とピオトルさん。最近ではノンアルコールビールにはまり、冷蔵庫にストックしている。
「お酒を飲むわけじゃない。でも、ビールっぽい物を飲みたい時に満足できる」と話し、「物足りなさはないね」と続けた。【翻訳編集AFPBBNews】
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