両陛下、能登被災地再訪=土砂崩れ現場に黙礼
天皇、皇后両陛下は12日、能登半島地震の被災者を見舞うため、石川県穴水、能登両町を日帰りで訪問された。被災地訪問は輪島、珠洲両市を訪れた3月22日に続き2度目。
両陛下は羽田空港で特別機に搭乗したが、離陸前にエンジンがかからなくなるトラブルが発生。予備機に乗り換え、予定より約1時間遅れの12日午前11時半ごろ能登空港に到着し、午後、自衛隊ヘリで穴水町に入った。
町中心部の商店街を視察後、29世帯46人が避難する複合施設を訪問。町を後にする際、臨時ヘリポートの広場から、土砂崩れで計16人が亡くなった由比ケ丘地区周辺に向かって黙礼した。
同施設では膝を曲げ、同じ目線に立って被災者を見舞った。天皇陛下は、同町の米田吉朗さん(76)夫妻に「被害がどの程度ありましたか」などと尋ね、皇后さまと「頑張ってください」と励ました。吉朗さんは取材に「心から心配していただいた」と声を震わせながら話した。
商店街では予定外で美容室に立ち寄り、オーナーの女性(49)をいたわる場面も。皇后さまは「大変でしたね。お体に気を付けてください」と声を掛けたという。
その後、ヘリで能登町に向かった両陛下は、28世帯43人が避難する町立松波中学校を訪れ、被災者と面会。同町の水滝勝弘さん(55)は取材に、「能登町にも来ていただけたのはびっくりした。家の被害や体のことを心配していただき、ありがたかった」と話した。津波被害を受けた白丸地区も視察し黙礼。同日夜に帰京した。
元日に起きた地震による石川県内の死者は、災害関連死15人を含め245人。穴水町では20人、能登町では8人が犠牲となった。
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