「国共合作」で統一目指す=平和演出で取り込み―中国
【北京時事】中国の習近平政権は、台湾最大野党・国民党と連携する「国共合作」を台湾の平和統一に向けた足掛かりにしたい思惑がある。統一実現の最終手段として武力行使の選択肢を放棄せず、台湾周辺で軍事活動を続ける一方で、平和的手法も駆使して台湾の取り込みを図っている。
習政権が台湾統一を目指す上で、最大の障害は民進党政権の継続と米国の台湾支援だ。中国は民進党を「台湾独立派」と見なし、政権同士の対話の機運は全くない。共産党と国民党は、かつて激しい内戦を繰り広げたとはいえ、既に分断から70年以上が経過。国民党は現在でも正式名称が「中国国民党」のままで、独立に反対する姿勢だ。
1月の台湾総統選では、国民党候補が民進党の頼清徳副総統に敗北したものの、習政権は同時実施の立法委員(国会議員)選で国民党が第1党に返り咲いたことに手応えを感じている。選挙戦の最中には中国が台湾の世論に向け、国民党を通じて経済的恩恵を与えるメッセージを送っていた。
一方、米中両国は今月、バイデン大統領と習氏が電話会談を行ったり、イエレン財務長官が訪中したりと、関係改善への動きが加速している。国民党の馬英九前総統との会談に臨んだ習氏には、同党との友好関係を演出することで、台湾海峡の平和を維持する姿勢を米国にアピールする狙いもあったとみられる。
[時事通信社]
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