知事選へ動き本格化=短期決戦、リニアが焦点―静岡
静岡県の川勝平太知事(75)が辞職することに伴い、知事選への出馬や候補の擁立に向けた動きが本格化する。投開票まで2カ月を切る短期決戦の中、各党は方針決定を急ぐ。選挙戦では、川勝氏が認めなかったリニア中央新幹線の県内着工について、候補者がどんなスタンスで臨むかが焦点となる。
これまでに、県出身で副知事も務めた元総務官僚の大村慎一氏(60)が出馬を表明。8日に「取り組みたいのは県政の立て直し、その一点だ」と語った。リニア問題は「関係者との十分な対話が必要だ」と述べるにとどめ、今後説明する考えだ。
鈴木康友前浜松市長(66)も出馬の意向を固めた。鈴木氏は衆院議員2期、市長4期の経験があり、県内経済界で支援する動きが出ている。また、立憲民主党の渡辺周元防衛副大臣(62)=衆院比例代表東海ブロック=は10日、出馬に意欲を示した。国会内で記者団に「私の一存では決まらないが、郷土に対する思いは伝えている」と語った。
各党の動きを見ると、県議会の自民党会派の増田享大代表は「知事との対立構図が県民に迷惑をかけた」として、与野党や経済界などによる「オール静岡」での候補者擁立を目指す。ただ、党内には派閥の裏金問題の影響を懸念する声もある。
立憲民主党や国民民主党、連合などは連携して擁立を進める。立民の源馬謙太郎県連代表は「ベストだと思う候補者を探す。協議を加速させたい」と語る。衆院選を見据え、与党との対決姿勢を強めるかどうかもポイントとなりそうだ。
[時事通信社]
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