「命つなぐ」動物も広域避難=設備被災、ジンベエザメなど犠牲―のとじま水族館
能登半島地震で、石川県七尾市にある「のとじま水族館」も被害を受けた。設備が故障し、熱帯魚やジンベエザメなど約5000匹が次々と死んでいった。「命をつなぐためにできることを」。境谷仁館長ら職員はイルカやアザラシなどを県内外の施設に広域避難させた。
同水族館では1月1日の地震でボイラーや循環装置などが故障、配管も損傷し水温や水質、水位を維持できなくなった。床は水浸しになり、感電の恐れがある中、職員らは館内に短時間入っては応急処置を試みたが、熱帯魚やクラゲなど温暖な海域に生息する約40種がほぼ全滅。日本海側の施設で唯一飼育していたジンベエザメも、地震8日後にオスのハチベエが、その翌日にはメスのハクも死んだ。
「生き残った動物だけでも安全な場所へ避難させよう」。境谷館長らはイルカやアザラシ、ペンギン、ウミガメなどの飼育継続は困難と判断し、全国の施設に受け入れを打診。2月上旬までの約1カ月間に9種63匹を移送した。
移送中の負担を減らすため日本海側を中心に7都府県の9施設を受け入れ先に選んだが、カマイルカは生活環境の変化が原因で死んだという。境谷館長は「移送のストレスなどを考えると苦渋の決断だったが、命をつなぐにはそれしかなかった」と振り返る。
アザラシを担当していた高橋勲さん(50)は、受け入れ先から送られてきた写真を見て「元気そうで安心している」と語る。ただ、1歳から10年間過ごした「相棒」のゴマフアザラシ、サントスとも離れ、「姿を見られないのは悲しい」とこぼした。
境谷館長は「再開のめどは立っていない。避難した生き物たちが一刻も早く帰ってこられるよう復旧に努める」と話した。
[時事通信社]
最新動画
最新ニュース
-
大谷がサヨナラ打 大リーグ
-
得点に絡んだ鈴木=米大リーグ・カブス
-
19日の日本選手=米大リーグ
-
円相場、155円76~77銭=20日午前9時現在
-
大谷がサヨナラ打=ダルビッシュは200勝懸け先発―米大リーグ
写真特集
-
【大相撲】大関・琴ノ若
-
【女子フィギュア】千葉百音
-
【野球】野球殿堂に入った名選手
-
【駅伝】第100回箱根駅伝
-
【女子フィギュア】吉田陽菜
-
【男子フィギュア】山本草太
-
【野球】日本シリーズ関西対決 阪神が38年ぶり日本一
-
【MLB】ドジャースの歴代日本選手