「復興スタート」「未来想像できず」=倒壊家屋手付かず、解体申請に列―能登地震3カ月・石川
石川県内に甚大な被害をもたらした能登半島地震は1日、発生から3カ月を迎えた。被災市町には全国の自治体から中長期派遣の職員が着任し、再開する店も出始めた。一方、倒壊した家屋は大半が手付かずで、街の人けはまばら。公費解体の申請窓口には大勢が並び、「復興のスタート」「未来を想像できない」といった声が聞かれた。
輪島市ではこの日から解体の申請受け付けが始まった。避難先の金沢市から市役所を訪れた今寺四郎さん(70)は「ようやく街の様子が変わるのでは。解体が始まってからが復興のスタート。輪島塗と朝市通りが元通りになれば活気が戻るだろう」と期待を寄せた。
半壊した自宅から仮設住宅に移った惣領和彦さん(53)は「家もライフラインも十分ではなく、人もいないし仕事もない。街の将来の姿は想像できない」とこぼした。
珠洲市にも申請窓口が設けられた。同市正院町の全壊した自宅に家財を取りに来た浜塚喜久男さん(69)も解体・撤去を申し込むつもりだという。「復興どころか復旧もまだ。仮設もいつか出て行かないといけない。早く解体してもらわないと引っ越しも決められない」と話した。
同市飯田町の野菜直売所は3カ月ぶりに営業再開し、店内に地場産品が並んだ。経営する藤抜悦子さん(66)は「おいしい野菜を食べて元気になってほしいが、お客さんは少ない」とため息をつく。
全線開通を5日後に控えるのと鉄道穴水駅。隣接する道の駅「あなみず」もこの日から再開した。店内は鉄道グッズコーナーが拡大され、ボランティアの人らでにぎわったが、店長の小林由加里さん(55)は「連絡の取れない仕入れ先もあり、復旧までしばらく掛かると思う」と明かした。
駅の向かいにある「さわやか交流館プルート」では約70人が避難生活を送る。下倉守さん(75)は「復興を焦ってもどうしようもない」としながら、「鉄道再開は通院で使っていたのでありがたい」とほほ笑んだ。
[時事通信社]
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