2024-03-28 14:02社会

「被災地の若者に元気を」=新成人を無料で記念撮影―金沢のフォトスタジオ・能登地震

母親の振り袖を着て写真撮影に臨む新成人の女性=23日、金沢市
母親の振り袖を着て写真撮影に臨む新成人の女性=23日、金沢市

 能登半島地震の影響で成人式に出席できなかった新成人向けに、金沢市のフォトスタジオが無料で記念写真の撮影を行っている。代表の宮崎大地さん(41)=横浜市=は「被災地の若者に元気を与えたい」と力を込める。
 石川県教育委員会によると、成人式が予定通り開催できなかったのは13市町。11市町は日程を変更するなどしたが、輪島市と七尾市は今後開催するかどうかも未定という。
 企画したフォトスタジオ「フォトジェリッシュ」を経営する宮崎さんは七尾市出身。1月3日に小中学校の同級生らと同市で同窓会を計画していたが、元日の地震で中止を余儀なくされた。
 直後に支援物資を持って被災地入りしたが、「成人式どころではないと思った」と振り返る。しかし、自宅のある横浜市に戻ると新成人が楽しそうに撮影に臨んでいるのを見て、被災地の新成人を無料で撮影することを決めた。
 着付けやヘアメーク、撮影データも無料で提供する。輪島市の成人式に参加予定だった女性(20)は、母親の振り袖を着て撮影に臨んだ。着付けしてもらう予定だった美容室は地震でつぶれたが、約1カ月後に振り袖は無事見つかったと連絡が来たという。女性は「振り袖を着た写真を撮れて良かった」と笑顔を見せた。
 撮影を終えた新成人からは「成人式がなかったが、写真を家族に見せる機会ができてうれしい」などのメッセージが届くという。「家族との思い出を写真に残すことが使命」と話す宮崎さん。高齢化が進む能登地域では復興に若いエネルギーが必要だとして、「撮影で若者に希望を与え、元気になってもらいたい」と語った。 
[時事通信社]

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