2024-03-25 18:50スポーツ

不祥事の再発防止急務=手腕問われる5期目―八角理事長

 「八角体制」が実質5期目に入る。八角理事長(元横綱北勝海)は「引き続き、大相撲の伝統文化の継承、土俵の充実を使命として一生懸命に取り組む」などとする談話を出した。新たな2年の任期では、不祥事の再発防止などが課題になる。
 24日に千秋楽を迎えた春場所は15日間を通じて「満員御礼」。新型コロナウイルスの影響による動員制限などで収益が激減した時期を乗り切り、2023年度の収支は4年ぶりに黒字化。21年に公式ファンクラブを開設するなど、入場料収入に依存し過ぎない収益構造の転換も図ってきた。
 その一方、研修会を開催するなどして協会員にコンプライアンス(法令順守)の徹底を目指しているものの、最近では元横綱白鵬が師匠の宮城野部屋で暴力問題が発覚するなど、不祥事がたびたび発生している。
 昨年12月には、賃金一部未払いなどを指摘され、労働基準監督署から相撲協会が是正勧告を受けた。理事長が大きな信頼を寄せる事務方トップは責任を問われ、出勤停止1カ月の懲戒処分を科されたが原職復帰。「普通の会社なら、これだけ不祥事が続けば、経営陣が責任を取るはずだろう」との声も親方衆から聞こえる。
 今後も一歩誤れば、求心力を失いかねない状況でかじ取りを迫られる。1974年から7期14年の長期政権を敷いた春日野理事長(元横綱栃錦)は、無借金で両国国技館を建設するなど辣腕(らつわん)を振るった。その遺産は現在の相撲協会の基盤にもなっている。八角政権も後世まで続く功績を残せるか、指導力が問われる。
[時事通信社]

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