バイデン氏、保育費削減訴え=「働く女性」の支持狙い―米大統領選
【ワシントン時事】11月の大統領選で再選を目指すバイデン米大統領が、子供の保育費削減を盛んに訴えている。米国の保育費は世界的にも高水準で、女性の就労を妨げる一因と指摘されている。育児をしながら働く「ワーキングマザー」の支持を取り付けたい思惑もありそうだ。
米国では、コロナ禍の収束で求職者が増加。一時深刻化した人手不足が緩和し、インフレの鈍化につながっている。この傾向に大きな貢献をしているのが「若い母親」(米エコノミスト)だ。学校の再開や在宅勤務の普及が、母親の仕事復帰を後押ししている。
ただ、25~54歳の働き盛りの人のうち、実際に働いている人の割合を示す労働参加率は、直近で男性が89.3%なのに対し、女性は77.7%と大きな開きがある。
経済協力開発機構(OECD)によると、22年の米低所得者の保育費負担は収入の32%を占め、日本の7%を大幅に上回る。高い保育費を負担できず、自身で子供の面倒を見なければならない米国の母親にとって、就労のハードルは高い。
バイデン氏は今月発表した2025年度の予算教書で、子供1人当たりの保育費を標準世帯で月600ドル(約9万円)以上減らす方針を示した。選挙運動で全米を飛び回るバイデン氏は「保育をはじめ、米国を再び偉大にする取り組みへの投資は可能だ」と訴える。
バイデン氏の支持率は、共和党の候補指名が確定したトランプ前大統領と伯仲するが、女性の支持ではトランプ氏より優位に立つ。最近の調査では、女性有権者の46%がバイデン氏に投票すると回答、トランプ氏の39%を上回った。保育費削減で働く女性の票を固めたい考えだ。
[時事通信社]
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