空将をパワハラで停職処分=説諭3時間、報告やり直し20回超―空自
約3時間にわたる説諭や20回を超す報告やり直し要求など、過剰な指導で部下に精神的苦痛を与えたとして、航空自衛隊は21日、50代の男性空将のパワハラを認定し、停職4日の懲戒処分とした。「将」は自衛隊の最高位の階級で、空将のハラスメント処分は初。
空自によると、空将は昨年8~12月、部下3人に具体性のない長時間の指導を繰り返し、苦痛を与えた。指導は1回当たり1~3時間に及ぶこともあり、長時間立たせたままだったり、同じ事案で20回以上の書類提出や報告のやり直しを求めたりした。「プロセスは適切か」などと問題点を明確にしない抽象的な指導で重圧をかけたという。
今年1月下旬、空自に被害申告があった。空将は「具体的事項を示さずに指導するのが最も効率的と考えた。パワハラの認識はなかった」と話したという。
空自は、空将に暴力や暴言の事実はなく、休職や精神疾患を負った隊員もいないことから停職相当と判断した。
元陸上自衛官五ノ井里奈さんの性被害告発を機に防衛省全体で特別防衛監察や再発防止に取り組む中で起きた事案で、空自トップの内倉浩昭空幕長は21日の記者会見で「対策が徹底できず重く受け止める」と述べた。発覚から約2カ月の異例のスピード処分になった理由は明言せず「必要な調査はした」と話した。
防衛省関係者によると、空将は阿部睦晴補給本部長という。28日付の退官が発表されている。
[時事通信社]
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