2024-03-18 16:00World eye

パリ五輪開会式登場がうわさされる仏歌手に人種差別 捜査開始

【パリAFP=時事】マリ出身フランス人歌手のアヤ・ナカムラ(28)さんが、パリ五輪開会式でパフォーマンスを披露する可能性が報じられる中、ナカムラさんに対する人種差別の疑いで仏当局が15日、捜査に乗り出した。≪写真はマリ出身の仏人歌手のアヤ・ナカムラさん≫
 仏検察によるとこの捜査は、国内に拠点を置く「反人種差別・反ユダヤ差別国際連盟」からの申し立てを受けてのものとなっている。
 ナカムラさんは、ユーチューブだけで10億近くのストリーミング回数を記録している「ジャジャ」などのヒット曲を持つ世界的なポップ歌手。先月、エマニュエル・マクロン仏大統領と面会した際に、五輪開会式で20世紀のアイコン的存在であるエディット・ピアフさんの楽曲を歌う可能性について話し合ったと報じられると、ナカムラさんに対する人種差別の疑惑が取りざたされた。
 仏大統領選の候補者にもなった極右評論家のエリック・ゼムール氏が率いる政党が11日に開いた集会では、ナカムラさんの名前に観衆からブーイングが上がる騒動に発展。小規模な過激グループは、セーヌ川に「アヤなんてあり得ない。ここはパリであり(マリの首都)バマコの市場ではない」との横断幕を掲げた。
 反差別団体のSOS Racismは、ナカムラさんに対する「差別扇動と人種差別的なネットいじめ」を理由に告訴状を提出したと発表。X(旧ツイッター)にはナカムラさんが「極右に引き起こされた、人種差別的憎悪の波の犠牲者」だと投稿した
 パリ五輪の大会組織委員会はAFPの取材で、「最近の人種差別的な攻撃に非常にショックを受けている」と述べ、アメリー・ウデアカステラ国民教育・スポーツ相もナカムラさんへの支持を表明している。【翻訳編集AFPBBNews】

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