2024-03-14 20:45政治

世耕氏、還流復活への関与否定=参院政倫審、裏金解明進まず―安倍派3人が出席

安倍派還流継続を巡る経緯と証言
安倍派還流継続を巡る経緯と証言

 参院政治倫理審査会は14日、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、安倍派の世耕弘成前参院幹事長、西田昌司参院議員、橋本聖子元五輪担当相の審査を全面公開で行った。参院安倍派会長だった世耕氏は、パーティー収入のキックバック(還流)復活について、自身の関与を否定。焦点の裏金が続いてきた経緯について解明は進まなかった。
 安倍派会長だった安倍晋三元首相は、2022年4月に還流中止を指示したものの、死去後に一転して復活が決まった。世耕氏は同年8月の幹部会合で協議したことは認めつつ、「意見交換の場だった。現金による還付(還流)が決まったことは一切ない」と述べた。
 さらに「還付金をやめる安倍氏の方針は堅持するが、何らかの資金手当ての方法があるのかという議論になった」と説明。幹部会合を巡っては、塩谷立・元総務会長が「(還流の)継続になった」と証言する一方、他の派閥幹部は「結論が出なかった」とし、認識のずれが表面化している。世耕氏は「確定的なことは決まっていない。大幅に各人の認識は違っていない」と強調した。
 安倍派で政治資金収支報告書の不記載が始まった経緯については「認識していない。少なくとも十数年前には始まっていたと思う」と述べた。
 世耕氏自身も18~22年の5年間で計1542万円の不記載が判明している。この使途について「いわゆる裏金的支出は一切確認されていない」と主張。還流分の納税も否定した。
 参院安倍派では、改選期の議員がそれぞれ派閥パーティーで集めた資金を、全額還流した疑惑が浮上。世耕氏は「(パーティー券販売の)ノルマがないというルールがどこからか始まって運用されていた」と認めたが、詳細については「分からない」などと述べるにとどめた。
 野党側は、過去に会長を務めた森喜朗元首相に事情を聞くよう迫った。世耕氏は、自民党のヒアリング調査で森氏の関与は一切認められなかったと指摘し、「私もそういう認識だ」と拒んだ。
 西田、橋本両氏も「会計や経理には一切関わっていない」などと還流復活への関与を否定した。参院政倫審での弁明・質疑は設置以来初めて。 
 審査会終了後、参院政倫審は今回審査に応じなかった残りの29人に対し、出席を促す文書を送付した。

 

 ◇参院政倫審のポイント
 一、世耕氏ら還流への関与否定
 一、世耕氏、22年8月の安倍派会合で還流復活の結論出ず
 一、改選参院議員への全額還流の経緯不明
 一、西田氏、世耕氏の説明「納得できず」

最新動画

最新ニュース

写真特集