大手企業、2年連続大幅賃上げ=自動車、電機で満額回答相次ぐ―日鉄はベア要求超え・24年春闘
2024年春闘は13日、大手企業の回答が出そろった。トヨタ自動車と日産自動車は労働組合の要求に対し満額回答。日立製作所などの電機大手もベースアップ(ベア)で満額回答した。日本製鉄は要求を超える異例の展開となった。物価高や人手不足を背景とした組合側の前年を上回る要求に対し、経営側も2年連続の大幅賃上げで応じた形だ。
トヨタの労組は定期昇給とベア相当分として職種や職位に応じ月額7940~2万8440円を、日産の労組は賃上げ総額の平均で月1万8000円をそれぞれ要求。ともに一時金を含め満額回答を受けた。SUBARUも満額で続いた。
鉄鋼大手労組は約半世紀ぶりの高水準となる月3万円のベアを要求。これに対し、日鉄は要求を上回る月3万5000円を回答し、ベアの引き上げ率は11.8%に上った。東京都内で記者会見した三好忠満執行役員人事労政部長は「処遇は製造業トップクラスの水準。人材確保のため検討した結果だ」と述べた。JFEスチールと神戸製鋼所は満額回答した。
自動車など五つの産業別労組で構成する金属労協の集計では、13日までに回答があった主要52労組のベア平均額は月1万4780円。賃上げ率はベアのみで約5%となった。金子晃浩議長は「全体として実質賃金を改善し、物価上昇を上回る回答だ。例年以上に労使の目線、考えが一致していた」と高水準の回答を評価した。
電機大手の労組は比較可能な1998年以降で最高水準となる月1万3000円のベアを要求。主要12労組に対し、シャープを除く11社が満額回答した。報道陣の取材に応じた日立の田中憲一執行役常務は、11年連続のベア実施について「賃金を引き上げることでより優秀な人材の確保につなげたい」と述べた。
[時事通信社]
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