万感の7年ぶり自己ベスト=安藤、「本業」で殻破る―名古屋ウィメンズマラソン
五輪切符はつかめなかった。それでも安藤は前だけを見て、懸命に足を動かした。7年ぶりの自己ベストで、マラソン初優勝。「パリには行けないけど、優勝できてよかった」と歓喜に浸った。
26キロすぎで先頭集団から離され、五輪代表入りに必要な日本記録が遠のいた。加世田との並走から33キロ付近で抜け出し、残り約3キロでトップのチュンバ(バーレーン)に追い付いた。「諦めたくない。優勝したい」。ゴールまで1キロを切った終盤に、杭州アジア大会女王を突き放した。
2017年の名古屋ウィメンズで当時日本歴代4位、初マラソン日本最高記録の2時間21分36秒で2位に入る鮮烈デビュー。「てんぐになってしまう記録」を塗り替えられず、それが重荷にもなった。東京五輪に1万メートルで出場したものの、自身の「本業」と認めるマラソンでは苦しんだ。
前田の日本記録を目指して練習を積み重ね、自己記録を18秒更新。7年前の自分をようやく超えられた。「時間がかかったことに意味がある。この気持ちを忘れずに、また踏み出せたらいい」。16日で30歳。20代最後のレースをさらなる飛躍の糧にする。
[時事通信社]
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