移民流入、米成長下支え=高齢化の影響相殺も―大統領選争点
【ワシントン時事】11月の米大統領選で、メキシコ国境から流入する移民対策が最大の争点に浮上している。共和党候補の指名争いを独走するトランプ前大統領は国境閉鎖を訴え、移民に寛容なバイデン政権を批判。しかし、米国は建国以来の「移民国家」だ。移民の流入は経済成長を支え、高齢化の悪影響を弱める要因でもある。
米議会の超党派機関、議会予算局(CBO)は2月に発表した経済見通しで、移民増などにより、2033年の労働力人口を昨年の予想から520万人も上方修正。この結果、34年までの実質GDP(国内総生産)伸び率が年平均で0.2ポイント押し上げられるとの推計を示した。
移民の増加は人手不足の緩和をもたらし、約40年ぶりの高インフレの鈍化に一役買った。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は先月のテレビインタビューで「移民がコロナ禍前の水準までに戻った」と指摘。「米経済は移民から利益を得ている」と明言した。
一方、移民は当初、サービス業など比較的賃金が安く、生産性の低い仕事に就く傾向にある。「(移民からの)納税は少ないのに、公共サービスの利用は多い」(マクリントック下院議員=共和党)との批判は根強い。
ただ、米社会は高齢化の一途をたどっている。CBOによると、社会保障費や医療費の膨張で、債務のGDP比率は34年度に116%と、過去最悪となる見通しだ。
移民は比較的若く、働き手として期待できる。スウェーゲルCBO局長は2月14日、下院予算委員会で「米国の出生率は低下しているが、移民により相殺されている」と証言した。
[時事通信社]
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