世界陸連コー会長、ドーピング容認大会を「ばかげた話」と一蹴
【グラスゴーAFP=時事】ワールドアスレティックス(世界陸連)のセバスチャン・コー会長は2月29日、運動能力向上薬の使用を容認する大会「エンハンスト・ゲームズ(Enhanced Games)」について、ばかげた話だと一蹴した。≪写真はワールドアスレティックス<世界陸連>のセバスチャン・コー会長≫
エンハンスト・ゲームズは、五輪イヤー以外の年にアスリートの収入を増やす目的で、2023年に英ロンドンに拠点を置く豪実業家のアロン・デスーザ氏が創設した。実施競技は陸上、水泳、体操、筋力、格闘技の五つで、第1回大会の場所と日時は未定。ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が持つ陸上男子100メートルの世界記録を破った選手には、少なくとも賞金100万ドル(約1億5000万円)が与えられることになっている。
世界反ドーピング機関(WADA)のルール対象とはならないが、WADAは大会について「危険で無責任なコンセプト」だと警告している。
英グラスゴーで1日に開幕する世界室内陸上選手権を控えた記者会見で、コー会長はエンハンスト・ゲームズについての見解を聞かれると、言葉を濁さずに「ばかげた話じゃないか?」と話し、「全く、わくわくできない」と述べた。
「メッセージは一つだけだ。あの大会に参加したいと感じる愚か者がいて、それが伝統的かつ哲学的なこちら側の競技者だとしたら、彼らは追放され、長い間資格停止となるだろう」
一方、デスーザ氏によると「陸上米代表のトップ選手を含め、パリ五輪に参加予定の大勢のアスリートから問い合わせがあった」といい、昨年の発表以来、これまでに900人のアスリートがエンハンスト・ゲームズに興味を示しているという。
世界水泳選手権の競泳男子100メートル自由形で2011、13年に連覇を達成したジェームズ・マグヌッセン(オーストラリア)氏は、同大会に参加する初のビッグネームとなっている。【翻訳編集AFPBBNews】
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