移民対策、重大争点に=バイデン、トランプ両氏が国境へ―米大統領選
【ワシントン時事】11月の米大統領選を前に、不法移民の急増が重要な争点に浮上している。移民問題がバイデン大統領(81)の支持率を圧迫する中、バイデン氏とトランプ前大統領(77)はそれぞれ29日に南部国境を訪れる予定で、本選に向けた論戦が早くも熱を帯びそうだ。
ホワイトハウスは26日、バイデン氏が29日にメキシコと接する南部テキサス州ブラウンズビルを訪問し「超党派の移民対策法案を可決するよう議会下院に促す」と発表した。法案に反対する下院共和党の責任を強調し、自身への批判を回避する狙いがある。米メディアによると、バイデン氏は不法越境者の難民申請を制限する大統領令も検討している。
一方、トランプ氏は同じ日に約500キロ離れた同州イーグルパスで演説を計画。同氏は移民問題を最大の争点に据え、選挙戦で「私が大統領になれば即座に国境を閉鎖し、初日から史上最大の移民送還作戦を実施する」と強調している。
移民に寛容なバイデン政権下で中南米などから米国を目指す人が増え、南部国境からの越境者は昨年、過去最多の約250万人に上った。モンマス大の最新世論調査によると、不法移民問題を「極めて深刻」「ある程度深刻」とした回答は計84%で、2019年4月の前回調査の71%から増加。南部国境の「壁」建設には53%が賛成し、反対が多数派だった19年から逆転した。
さらに先週、不法入国したベネズエラ人の男(26)が南部ジョージア州で女子看護学生(22)を殺害したとして逮捕され、共和党の政権批判に火を付けた。トランプ氏は「(移民の)侵略は国を破壊し、国民を殺している」と攻勢を強めている。
[時事通信社]
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